2014年3月30日
修行前、お弁当を貰いに行くついでに喉が渇いたので飲み物をもらおうとしたのですが
Y子さんがあんな感じになっていました。
「おはようございます。お水もらいますね」
「あー」
「今日は風が強いですねえ」
「へー」
こんな感じです。
たまにあるY子さんぐーたら期です。
こうなったらもう大変です。
朝ごはんはいつも通りしっかりと作っていましたが
お昼ごはんはそうめんでした。
これは手抜きです。
幽々子様はそうめんをちゅるちゅるやりながら
「久しぶりねえ」
とぼやいていました。
Y子さんはお昼の食事の場には居ませんでした。
きっと自室で横になっているのでしょう。
こういう時はいつも他の方々が晩ごはんを作ってくれます。
今夜もそうかなと思っていたのですが
幽々子様がなにやらチラシを持って興奮していました。
「妖夢、妖夢、これみて」
「ははあ。デリバリィサービスですか」
「あの蓬莱人がいるでしょ。あいつが不死の火で焼いたデリバリーピザよ。
Y子さんがあんなんだから頼みましょう。そうしましょうよ妖夢」
幽々子様はのりのりで私にチラシを押し付けてきました。
私も興味があったので嫌ではありませんでしたが、冥界まで届けてくれるのでしょうか。
甚だ疑問でしたが注文してみました。
チラシに書いてある注文方法は簡単で
1.「不死鳥！」と叫ぶ
2.鳥がやってくるので注文の紙を首輪に括りつけてやる
3.撫でてあげる
4.ちょっと待っててね
ということらしいです。
幽々子様がやりたがっていたので全てを任せたのですが
まさか本当に「不死鳥！」と叫んだだけで冥界にまで鳥がやってくるとは思いませんでした。
意外に可愛かったのでみんなで3の撫でてあげるを繰り返してやっていると
ちょっと不機嫌そうなかんじで戻っていきました。
しばらく（結構かかりました。2時間位でしょうか）待っていると
一人の女性が生き切れ切れにやってきました。
この前であった藤原さんです。
藤原さんは保温ができる銀色の袋を12個もって冥界にやって来ました。
幽々子様が直々にお迎えをしたようです。
「わあ、本当にとどくのねえ。ありがとう」
「はあはあ、まさかこんな所までとどけるはめになるとは。一生縁がないと思っていたのに。
配達規模を決めなくちゃあいけないわね」
「まああがってあがって」
「え？ いや、まだ配達が残っているから……」
「いいのよ、疲れたでしょ。お茶を沸かすから」
「はあ」
ということでおやつの時間は三人で取ることになりました。
本日のメニュー
・わらび餅
藤原さんはそわそわした様子でわらび餅を口に運んでいました。
幽々子様はずっと藤原さんに質問をしていましたが
やはり藤原さんはそわそわとしていました。
他の配達のことが気になるんでしょうか。
「ピザってなんで始めたの？ とりあえず全種類頼んだんだけどどれが一番？」
「あああの、そろそろ私……」
「ていうかもう頼んじゃったけど晩御飯までにはまだ時間有るのよね。温めなおしても美味しい？」
「うん、大丈夫だとおもうけど……」
幽々子様は終始テンションが高かったです。
藤原さんは半ばやけになりながらわらび餅を食べていました。
どうにも不憫に思えてきたのでお助けてしてみることにします。
「幽々子様、藤原さんはこのあとまだお仕事が残っているようです。そろそろお開きにしませんか？」
「あらそうなの？」
「え、ええとそうなのよ、ごめんね。また頼んでね。ばいばい」
藤原さんはごちそうさま、を言い残すと足早に帰って行きました。
まったく以前の幽々子様は彼女に対して怖がってさえもいたのに（あれすら演技だったのでは？ と思えてきます）
一度大丈夫だとわかるとすぐ興味をもつので困ったものです。
そして晩御飯、ピザを温めなおして食べました。
私はテリヤキチキンののったピザが気に入りました。
ちょっとピリ辛のタレが病みつきになります。
流石にお昼を抜いたのでY子さんも食卓に出てきましたが
終始不機嫌顔でした。
なのでお風呂前に聞いてみました。
「Y子さん、体はもう大丈夫ですか？」
「うん、ダルくはなくなった」
「さっき、晩御飯の時なんであんなに不機嫌だったのですか？」
「だってさあ、あれ店屋物でしょ？ ピザ」
「ええ」
「私のほうがうまくつくれるもん。なのに幽々子様ったらおいしいおいしいって食べるから」
Y子さんも嫉妬とかするんですね。
私はおかしくなって思わず笑ってしまいました。
そんな私をみて、Y子さんはぎゅうっと頬をつねりました。
激しく痛かったです。
ピザは美味しかったし、おもしろいY子さんも見れたので今日は面白い一日でした。
そのあとお風呂でさんざんY子さんに愚痴を言われましたけど
それも含めて、楽しかったです。
