2014/05/14
修行のあいま、木陰で休もういつも座る切り株の上にカマキリが居ました。
ううむ、これを踏み潰しちゃいけないぞ、とすみっこに避けました。
「すみっこによけて体を縮こませる…… コンパクト魂魄。ぶふふっ」
「なに笑ってんのう」
「ふひい!」
後ろから急に話しかけられました。
「あ、あれ貴方はこの前色んな所で暴れてた……」
「古明地こいしだよっ ばちこん☆」
「は、はあ」
ということで今日はこいしちゃんを交えた食事です。
本日のメニュー
・生姜焼き(からし付き)
・キャベツ
・やさいスープ
とりあえずまほう瓶に入れておいたやさいスープを与えてみました。
こいしちゃんはくんくんと匂いを嗅いで一気に飲みました。
袖で口を拭きながら容器をぐいぐい押し付けてくるのを見ると、気にいってくれたようです。
「じい」
「しょ、生姜焼きは上げられないよ。これは私のお昼ごはんなんだから」
「じいい」
「……ちょっとだけだよ?」
目線に耐えられなくなったので一枚だけ生姜焼きを上げました。
一口食べると目を輝かせて、ご飯を一気に頬張っています。
気持ちがわかるので止めるのはよしました。
しかし私のお昼ごはんが……
「ごちです」
「いっぱい食べちゃって、まあ」
私は二口ほど残ったご飯と歯型のついた生姜焼きを噛み締めながら静かにため息をつきました。
「また来るね。今度お礼はするから」
「気長に待っています、今度はご飯を持ってきてくれると交換できていいのですよ。とほほ」
「ばいばい」
気づくとこいしちゃんはいなくなっていました。
何だったのでしょう。
ただ、地底の方は何を食べているのかは気になりますので
ひそかに期待しています。
楽しみだなあ。