2015/09/03
二年目194
雨が降っていたので幽々子様とお庭でしとしとお話していると
なんと伊吹の鬼がふらふらやってきました。
しかもなんと!
「あらいらっしゃい。今日は豪華なのね」
「ふえへへへ」
酔っ払っていました。
それはいつも通りなのですがなんと二本の大きな角に
すいかが刺さっていました。
「それはなんの真似?」
「おみやげだよえへへえ」
「あ、じゃあ私お茶を用意して」
「待て」
「はい?」
伊吹の鬼に引き止められました。
小さな頭に大きなすいかが二つ。
酔っぱらいというのもあいなって更にふらふらしてます。
「笑ったら負けな?」
「ええ」
「は、はい」
ふらふらしていた鬼はピタリと動きを止め、目をかっと開きました。
「トリプルすいか」
「ぶふっ」
「えっ」
幽々子様が吹きました。
ですが私にはいまいち笑いどころがわかりませんでした。
本日のおやつ
・すいかのすいか
「あふふふいふふふうふふふ」
「……」
「そんなに笑うかー」
幽々子様はすいかを食べている時もずっと笑っていました。
「きゃふふふおふふ」
「幽々子様、笑いすぎです。すいかで顔がべちゃべちゃになっていますよ」
「お前は笑わないのか、半霊」
「私は特に」
「すいかの頭にすいかとすいか、結構いいと思ったんだけどなあ」
「あ、そういう意味ですか!」
「え」
「おふふふ……え」
全然どういう意味かわからなかったのです。
幽々子様は呆れていました。
鬼は逆に笑っていました。
来年の事を言っていないのに鬼を笑わすことの出来る私はすごいと思います。
……気づかなかったのが悔やまれます。