2015/12/01
二年目282
「妖夢妖夢!」
「な、なんですか」
どたどたと幽々子様が部屋まで走ってきました。
何事かと心配になりました。
「人里のあそこの栗もなかが特売してるわよ!」
「なんですって!」
急いで買いに行きました。
本日のおやつ
・栗もなか
「……」
「……」
「……ゆ、幽々子様、本当に安売りをしていました」
「うん……」
「申し訳ございません」
「いいのよ、安く買えたんだもの。それが一個だって」
そう、最後の一個だったのです。
私は決死の覚悟で口を開きました。
「……た、食べていいですよ……」
「よ、妖夢!」
幽々子様は涙を流していました。
「貴方って娘は……」
「いいんです、幽々子様が美味しいと言ってくれれば……」
「ありがとう妖夢。美味しくいただ」
「二人共栗もなか買ってきたよー」
Y子さんが天使に見えました。
こうして幽々子様と私はお腹いっぱいの栗もなかを食べることが出来ました。
幸せでした。
決死の覚悟はするもんじゃないです。