2017/03/07
四年目17
「妖夢、コーラ飲みたい」
「Y子さんに確認してみます」
私はそこまで飲みたくなかったので幽々子様のぶん、一つで良いのです。
そうです、私にはコーラが一つだけ必要だったのです。
「Y子さん、コーラ無いですか?」
「え……」
「……なるほど」
「Y子さんとフミタさんはなぜ睨み合ってるのですか?」
不思議な状況でした。
「説明しよう!」
「わ、フミタさん元気ですね」
「私は今とてもコーラが飲みたい。そうしてキッチンに来たらお風呂上がりのY子ちゃんがコーラを持っていた」
「まさか」
「そう、今白玉楼にコーラは一つしかないのさ!」
「……そういうことなの妖夢ちゃん。ここは勝負を」
「でも、コーラを所望しているのは幽々子様です」
「な」
「なんですって」
フミタさんもY子さんもみるみる顔が青くなっていました。
仕方がない話です。
「さあ私にコーラを。幽々子様に届けなくてはいけないので」
「……しゃあない。しゃあないけど……くそ」
「そうね。とても惜しいけど……幽々子様のお願いなら……」
「見損なったわ妖夢!」
なぜか幽々子様が来ました。
「私の権限を使ってコーラを欲しがってる二人から有無をいわさず奪うなんて!」
「え、でもコーラ飲みたいのは幽々子様じゃないですか」
「そうだけど。みて二人を」
「……」
「……」
フミタさんは唇をかみしめて血を流していました。
Y子さんは血の涙を流していました。
怖い人達です。
「妖夢、正々堂々勝負しなさい」
「え、ええ。じゃあ」
幽々子様がすればいいのに、とはいいませんでした。
面倒だったので。
「じゃあ、じゃんけんで」
「ぶつぶつ、ぜったい勝っちゃる。ぶつぶつ」
「私は勝てる私は勝てる私は勝てる私は勝てる私は勝てる」
なんか二人共本気でした。
結果は。
「くっっそおおおおおおおお」
「せっかくのお風呂あがり楽しみにしてたのにああ早く飲むんだったああ」
私が勝ちました。
二人共力が入りすぎてグーしか出せず、私は三回のあいこの末パーで勝ちました。
「幽々子様、コーラです……ってあれ? 幽々子様、その手に持っているのは」
「紫にお願いして二本貰ってきた。はいフミタさんにY子さん。冷えてるわよ」
「あ、ああ幽々子様! 流石我が主人! いよ! 美人!」
「いやあねえフミタさん」
「幽々子様有難うございます有難うございます有難うございます」
「Y子さんも大げさよう。なんかちょっと怖い」
ということで白玉楼のコーラ騒動でした。
私はと言うと、そんな三人を見ながら牛乳を飲んでしました。
今日も牛乳は美味しいです。
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