2020/03/08
本日の秘密のお酒
・レモンサワー
・からあげ
・一口チーズ
「からあげってなんて美味しいんでしょう。もぬもぬ」
「妖夢ちゃんは好みがなんか、庶民だよなあ」
フミタさんにそんな事を言われてしまいました。
確かにそうかも知れませんが、何か言い方にむっとしてしまいます。
「庶民ですよ。フミタさんは違うっていうんですか」
「私はほら、違う。違うぜ?」
「本当ですか」
「あの、あれとかあるし。あのなんだっけかな。ペリーヌみたいな、エリーゼみたいな」
「なんですそれ」
「子羊のミラージュとか好きだし」
「なんで好物の名前覚えてないんですか」
「良いんだようめえんだから。パンに塗りたくってワインと飲むと最高なんよ」
ちなみにY子さんにこの後聞いた所、フミタさんはテリーヌと言いたかったらしいですが、
パンに塗りたくったのはリエットだそうです。カタカナはむつかしいです。
「まあでもカタカナが好きな食べ物なら格好いいですね」
「アクアパッツァとか、カルパッチョとかすらすら出来たら良いね」
「あ、たまにY子さんはバーニャカウダやりますね」
「バーニャカウダかっけえな……」
「ねえふたりとも、なんで私には聞かないの」
我慢していたのかとうとうカセさんが声をあげました。
「だって……ねえフミタさん」
「カセさん味覚イカれてんじゃん」
「あ、そんなはっきり言うんですね」
はっきり言いました。
カセさんは少し個性がすぎます。まあでもY子さんは何も言わないので良いかと思いますが。
この前は納豆にマスタードとマヨネーズを入れていました。恐ろしいです。
「ふたりが私をどう思ってるかよーくわかった」
「カセさん違うんですよ。べつにのけものにしようとしたわけじゃ」
「カセさんこういう話出来ないっしょイカれてんだから」
「フミタさんって正直にものを言わないと死んじゃう病気なんですか?」
「妖夢ちゃん、それ自分もそう思ってるってことだからね」
カセさんは頬を膨らませてしまったのでしぼますのが大変でした。
フミタさんは一人でけらけらしていました。もう本当に、いつか切ってやります。
私は仲良くお酒が飲みたいんです。