2020/08/19
「しゅっしゅっしゅ! しゅっしゅ!」
「ねえ」
「わあ!」
「世界一美味しいもの出来た」
「え、な、なんですか」
「世界一美味しいもの食べたいなら着いてきて」
部屋でシャドーボクシングをしていたらY子さんが入ってきました。
私の部屋に来るなんて珍しいです。
一緒におだいどこに向かいます。
「あれ、おだいどこに行くのでは」
「幽々子様居なかったからカセさんの部屋にも行く」
「あ、はい」
その自信作を早々に味わってほしいのでしょう。
ですがカセさんの部屋には誰もいませんでした。
Y子さんはカセさんの机にほっぽってあったメモにさらっと何かを書き、部屋を出ました。
「なんて書いたんですか?」
「『こい』って」
「直球」
「あ、何しとんの」
「来なさい」
「は?」
「フミタさん早く来て」
「妖夢ちゃんなにこれ」
「フミタさん着いていった方が良いですよ。世界一です」
「まじでわからんなあんたら」
ということでフミタさんと一緒にY子さんを追いかけます。
「Y子ちゃんどうしたん」
「わからないですが見て下さい、スキップしてます」
「こりゃ期待だ」
ということでおだいどこに着きました。
「いくら?」
「すじこ。塩漬け。カセさん。コネ」
「なんでカタコトなんですか」
本日の秘密のメニュー
・すじこの塩漬け
「ごはん! ごはんが欲しいです! なんですこれ!」
「夕飯までまってね」
「日本酒もってこいおらあああああ!」
「夕飯までまってね」
衝撃的でした。
なにかの魚のたまごのようですが、破滅的に美味しかったです。
多分これちょっとでごはんが一膳余裕でいけます。
「なんか直球すぎる書き置きがあったんだけど」
「カセさん、世界一です! 世界一がありますよ!」
「カセさんこれマジ日本酒。ポン酒のためにあるわこれ」
「カセさんが頂いたすじこが世界一になったので食べて。早く食べなさい」
「圧がすごい圧が」
「はいカセさん、あーん」
「あーん」
Y子さんにあーんされるカセさんです。
しばらく沈黙の時間が流れます。
「……や」
「や?」
「やばぽよ」
「カセさんがなんか異国の言葉を使い始めました!」
「ねえY子ちゃんもうちょいちょうだいもうちょい」
「皆のぶんがなくなるので駄目でーす」
拷問でした。
はやくすじこが食べたいです。
夕飯にちょこっと出るみたいなので思う存分食べてやります。
楽しみだなあ!