2020/11/05
「おじゃましますー」
美鈴さんに挨拶して、メイドさんに挨拶して、重いドアをあけて図書館にやってきました。
いつも通りお出迎えと挨拶はありません。
「こんにちは。おみやげを置いておきますね」
「……いいのに」
「いえいえ。小悪魔さんに本を返しておきます」
「ん。それなに」
「なんでしたっけ。栗を甘く煮たやつです」
「グラッセかしら。お茶にしましょう。ついでに小悪魔を呼んできて」
「はーい」
ということでY子さんのマロングラッセをパチュリーさんと食べました。
私も食べるので少し多くもらってきたのです。
本日のメニュー
・マロングラッセ
・ほうじ茶
「んはーほうじ茶に合いますね」
「……」
「器用に食べますね」
パチュリーさんはすっかり本の世界に入り込んでしました。
フォークを片手にカップを片手、魔法で本のページをめくっています。
「あれやめろって言ってるんですけど」
「まあまあ。私の主人もたまにやります。あ」
「それ言ってはいけないやつでは」
「他言無用で」
司書の小悪魔に秘密を握られてしまいました。
まあきっとそんなに危なくないでしょう。
いくらか本を借りてきて帰りました。
パチュリーさんとはあんまり会話をしませんが、いい関係だと思います。
さて、秋の夜にしっかり本を読みます。
知的な私です。