2020/12/02
「そこなお嬢さん。いっぱいいかが」
「はあ。確かに私はお嬢さんですが」
特に用もないのに里でふらふらしていたら声をかけられました。
これがフミタさんが言っていたナンパでしょうか、と思いましたがお相手は婦女子の方です。
「ウチで飲んでかない?」
「流石にお昼からは……ってあれ、あなたは居酒屋の女将さんですね」
「ああ覚えてたの。まあよってきなよ二つの意味で。あいつ知り合いでしょ?」
「え?」
お店に入ってみると知り合いも知り合い、べろべろのフミタさんがいました。
「来たな小童」
「こわっぱて」
「飲めや」
「飲みますけど、なんでお昼からべろべろなんですか。怒られますよ」
「誰にじゃ」
「ええと……幽々子様?」
「幽々子様なら一緒に飲んでくれるわ」
「たしかに」
たしかに。
本日の秘密のお酒
・お酒(種類はわかりませんでした)
・だし巻きたまご
「食えや。あちしにはでかい」
「フミタさんもしかしてもう結構限界じゃないですか?」
「りゅん」
「りゅんって」
結構限界そうなので、一杯だけ飲んで帰りました。
ここのきったない居酒屋は美味しいので飲みすぎる気持ちはわかりますが、まだ正午をまわってすぐです。
「おぶりますよ。飛びますけど大丈夫ですか」
「絶対吐くけどいい?」
「いいと思います?」
肩を貸しながらゆっくり歩いて帰りました。
しかししばらく歩くとフミタさんは自分で飛べるくらい元気になっていました。
回復力のある方です。
「ふいー、疲れた。寝るかな」
「お昼なのにですか?」
「ええんや今日休みだもん。何より」
「何より?」
「みんなが働いてる時寝るのは最高だろ?」
「ダメですわこの人」
ダメですわこの人。
思ったことがつい口に出てしまいました。
その後夕飯まで寝ていたフミタさんはごはんをぱくぱく食べていました。
元気すぎます。少し分けてほしいくらいです。
そんな事をカセさんに言ったら「妖夢ちゃんもそんな変わらんでしょ」と言われてしまいました。
……うーん、私はそんなに元気でしょうか。
わからないので素振りしながら考えてきます。
行ってきます。