2021/03/17
「はよきて」
「うへあっ! はよ行きます」
着替えていたらY子さんがぬっと入ってきてすっと去っていきました。
幽霊みたいな人です。
本日のおやつ
・スイートポテト
「じゃんけん」
「えっ」
集められたと思ったらじゃんけんが始まりました。
幽々子様が一位、カセさんが二位でY子さん、私と続きました。
「じゃあ幽々子様からどうぞ」
「幽々子様、さっきからしゅくしゅくと進めていますがこれはなんですかひそひそ」
「さっぱりわからないわY子さん無表情で怖いひそひそ」
「聞こえてますよ」
震える幽々子様がスイートポテトを口にしました。
「ぽいぴい」
ぽいぴいようです。
「カセさん、次」
「え、うん」
カセさんも一口口に入れ、首をかしげながらもぐもぐしています。
生クリームを変えたのに気づいたようです。
「それじゃあ私……よし」
何やら意を決してY子さんが一口やりました。
うんうんうなずく所を見る限りなにもないようです。
「いやいやいや絶対私じゃないですか!」
「何が?」
「何がってY子さん……わかりませんよ! ずるいですよ!」
「じゃあ食べないの? 美味しいけど」
「……幽々子様」
「ぽいぴい」
「……カセさん」
「みたらしかけたい」
なにやらトンチンカンなこと言ってます。
私は覚悟を決めてスイートポテトを頬張りました。
「……」
「妖夢妖夢、なになに? からし? わさび?」
「あれ、美味しいです」
「え?」
「別に何もないドッキリ大成功ー」
Y子さんは笑いながらおだいどこへ消えていきました。
残された私達はただぽそぽそとスイートポテトを食べるしか出来ませんでした。
美味しかったです。
ただもう二度とやらないでほしいです。怖いので。