2021/04/16
「らーらーらーらりるれろー」
「ちょっと妖夢ちゃん」
鼻歌を歌いながら廊下を歩いてたらカセさんに話しかけられました。
その表情はいつになく真剣です。
「な、なんでしょう」
「幽々子様が詠んでるから静かに」
「え、珍しいですね」
幽々子様はたまに部屋でぶつぶつ歌を詠んだりします。
そういう時は静かにが大事です。
幽々子様は時には真剣なのです。
「あーいたいた。おやつ出来たわよ」
「Y子さん、しーっ」
「幽々子様が詠んでる」
「……おやつピザまんだけど?」
「カセさん、こういう時はどうすれば!」
「……妖夢ちゃん、ダッシュ」
「え、本当ですか……怖いです」
「大丈夫、私を信じて」
「い、いってきます!」
恐る恐る幽々子様の部屋に来ました。
後ろから「じゃあカセさんが行けばいいのに」というY子さんの声が聞こえましたがもう遅かったです。
「ゆ、幽々子様ー」
「妖夢、部屋の前の張り紙が見えないの」
ぴしゃりと言われました。
「そ、そのおやつのピザまんが出来たらしく……」
「わあい」
カセさんの読みは合っていました。
「これ妖夢、はやく行くわよ」
「え、いつの間に!」
幽々子様は気づいたら部屋を出て私の後ろを歩いていました。
時折ワープされるお方です。
おやつのピザまんは最高で幽々子様も満足気味でしたが、部屋の前のぴりぴりは本物だったとこの日記に記しておきます。
終わりです。
本日のおやつ
・ピザまん(歌より強い)