2021/09/06
「おいすー。急になまらしばれるねー」
「鈴仙鬼ごっこしましょうはいタッチ」
「え、え?」
今日は鈴仙と遊ぶことにしました。
間違いました。
今日は鈴仙で遊ぶことにしました。
「鬼ごっことか。なんでよ」
「修行の一環です。弾幕ごっこにも応用できますよ。じゃあ逃げますね」
「うわはやい。きもい」
速くてきもいとは何事でしょうか。
「これ追いつくとか無理でしょ」
「鈴仙もほら、眼力使っていいですから」
「めぢからって言わないでくれる?」
「……くふふ、えーいルナティックエコー!」*1*2
「はいキレたーもうキレたー本気で行くからね」
目が血走ってる兎が本気で追いかけてくるのは結構怖かったです。
本日のメニュー
・生姜焼き
・卵焼き
・きゅうりの浅漬け
「ほら鈴仙お肉あげますから」
「……ふん」
鈴仙の機嫌がななめになってしまいました。
お弁当に人参が入ってれば楽勝なのですが、今日はちょっと在庫がありません。
「鈴仙をバカにしたつもりはありませんよ。ただお遊びも本気になったほうが面白いですし修行にもなるんです」
「じゃあそう言えばいいじゃない。わざわざ焚き付けなくたって」
「それもそうです。すみませんでした。謝りますから一緒にお弁当食べましょう」
「……」
「今日はお医者さんはどんなお弁当作ってくれたんですか? 交換しましょう! あのお医者さんのお弁当は美味しいですからね! 鈴仙は幸せ者です!」
「……今日はお稲荷さんだって」
ということで鈴仙はちょっとずつ機嫌が良くなっていきました。
最後の方はお姫様と藤原さんが笑顔でお茶を飲みながら手首をちぎり合っていた話を楽しそうにしていたのでもう大丈夫でしょう。
話は怖いですが。
鈴仙は扱いが大変です。
いつも懐に人参を忍ばせておくのも手かもしれません。
面倒な友人です。
*1 2020/08/14
*2 2020/08/26