2021/11/03
「幽々子様、今晩はカレーですね」
「そうですね」
なぜか敬語でした。
しかたがありません。
修業を終え夕ごはんまでの安らぎの時間。
幽々子様とトランプをしていたら伝わってくるカレーのにおい。
こんなものはそわそわとしてしまうしかありません。
「何カレーですかね、前はチキンでしたので……」*1
「妖夢」
「はい」
「私は何カレーでも嬉しいわ」
「はい」
なぜ一度私を制したのでしょう。
ともかく楽しみです。
ずっとそわそわとして完成を待ちました。
「わくわくが止まらないわ。いただきます」
「あ、今日のカレーちょっといつもと違うので気をつけてくださいね」
Y子さんが何か気になることを言いました。
でも関係ありません。
カレーはすぐそこなのです。
「あっまい!」
「甘いですね!」
「納豆に合いそう」
最後のカセさん以外は置いといて、幽々子様と同じ反応をしてしまいました。
本日のメニュー
・激あまポークカレー
・ポテトトマトサラダ
「どうりで何か色が明るいと思いました」
「Y子さんおかわりを」
「はーい」
幽々子様のおかわりが尋常じゃない早さでした。
お気に入りのようです。
「妖夢ちゃん、いまいち?」
「いえ、ちょう美味しいです。ですが」
「ですが?」
「カレーは辛いものという常識が邪魔してうまく味わえません」
「不憫な子ねえ……」
何故か幽々子様とY子さんに泣かれました。
美味しかったです。美味しかったのですが、なんかやっぱり、カレーは辛いのがいいです。
カレーというくらいなんですから。
*1 2021/10/11