2022/07/18
「がらーお酒飲みに来ました」
「あ」
「……」
「これはあれ、あれなの妖夢ちゃん」
「……」
「妖夢ちゃんってそんな目できるんだ」
「カセさん見損ないましたよ」
「いや、違うの聞いて」
カセさんが私に隠れて大福を食べていました。
しかも夕ごはんの後の秘密の飲み会でです。
一番食べちゃだめなときです。
「見損ないました」
「違うんだって」
「見損ないながら流れるように自分の酒作るの面白いな」
「フミタさんそっち詰めて下さい」
「ああめんご」
「お疲れ様です。ごくごく。見損ないましたよ」
「カセさん、妖夢ちゃん三回言ったぞ」
「話聞いてって」
聞くも何も見たままです。
カセさんは私とのダイエットの誓いを破ったのです。
「見損ないました。あれ今日おつまみ少ないですね」
「ああ今日はな。はいカセさん説明」
「私が夕方に里に行ったときにこれもらったの。ちょっと色々あって」
「色々とは」
「一から話すと面倒だから簡単に言うとこれ貰い物なの。里の子供からもらったの。そんなの食べるでしょ」
「む、ちょっと食べても良いポイントが上がりましたね」
食べても良いポイントとは、食べても良いポイントのことです。
このポイントが高ければ食べても良いというやつです。
「それはなんでもらったんですか?」
「里で買い物してたらお金落としたって困ってたから」
「それを助けたと」
「親御さんがY子さんの知り合いだったからちょっと色々話し込んで」
「なるほど」
「お礼でいっぱいもらったの。妖夢ちゃんのもあるけど」
「しょうがないですねえ!」
「あ、こいついい笑顔になったぞ」
食べました。
白玉楼の従者へのお礼なんて、私のお礼も同義です。
これは頂きます。
今日くらいは良いんです。
今日はお休みです。
「ちなみに私はさっき四個くったからつまみ少ないんだ今日」
「……」
フミタさんはちょっとは遠慮するべきです。
本日の秘密のお酒
・焼酎のソーダ割り
・大福
・枝豆