2022/09/02
「わーお腹空きまし……た」
そろそろお夕飯だと居間に入ったらカセさんと幽々子様がぴっちり正座していました。
お説教かと思い恐る恐る入りますが、ふたりとも真剣な表情で何も会話はありません。
「あ、あの」
「妖夢」
「なんでしょう」
「真似しなさい」
「な、何でですか」
「私が来たらカセさんがそうしていたからよ」
なんとカセさん発端です。
普段こんなことをするのは幽々子様なのに。
「妖夢ちゃん」
「は、はい」
「今日のはすごいと思うよ」
「今日のはすごいんですか」
でも実際、今日のはすごかったです。
本日のメニュー
・さばの味噌煮
・いんげんとこんにゃくの煮物
・大根となすの浅漬
・あぶらげと豆腐のおみそ汁
「泣きそうです幽々子様」
「泣いてる暇あったらおかわりしなさい妖夢」
「あい。おかわりください」
「Y子さん私も」
「待ってカセさん私のいれてからね」
全員です。
全員おかわりです。こんなのめったにないです。
「妖夢、カセさんに感謝」
「さばを持ってきてくれてありがとうございます」
「妖夢、Y子さんに感謝」
「さばを美味しくしてくれてありがとうございます」
「妖夢、私に感謝」
「……?」
「あんたぶっとばすわよ」
なんか幽々子様のお口が悪くなっていました。
幽々子様には日々感謝していますが、これに関しては別です。
こんなお魚の美味しいお味噌のこれなんてもう私は生きてきて良かったと思えます。半分ですが。
「お腹が有限なのが本当に悔やまれます」
「今回ばかりは妖夢に同意ね」
お腹ぱんぱんになりました。
もう満足です。
ごちそうさまでした。
あらゆる人に感謝です。
今ならしんでも良いかも知れません。半分ですが。