2022/09/06
「湿気がもう湿気が」
カセさんが文句を言いながらお洗濯をしていました。
湿気がもう湿気らしいです。
「カセさん、実は私暇なので何かお手伝いありますか」
「……湿気斬って」
「……やってみます」
ちょっと試しましたが斬れる気配がしませんでした。
「すみませんカセさん……お役に立てず」
「なんかこっちもごめん」
謝られてしまいました。
こちらが悪いのに。
申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
本日のおやつ
・チョコ大福
「なんとハイカラなものが。幽々子様、ハイカラです」
「違うわチョコ大福よ」
チョコ大福はあんこと違いなんだか大人な味がしました。
ちょっと苦いからでしょうか。
「幽々子様、実は私、さっきカセさんに『湿気斬って』と言われたんです」
「それで?」
「斬れなかったんです。……この無力感、どうすればいいでしょう」
「チョコ大福をくれれば教えてあげるわよ」
「やっぱ無力で良いです」
チョコ大福なんて珍しいものあげられません。
「その程度なのね妖夢は」
「違いますよ。本気でやりたいのはやまやまなんですが、チョコ大福は違いますよ」
「チョコ大福は違うの」
「はい、チョコ大福は違います」
「じゃあちょうだい。違うんでしょ?」
「……ん?」
危うく渡しかけました。
幽々子様は油断なりません。
湿気は雨なんかより何倍もむつかしいです。
もう何年か修行すれば斬れるでしょうか。
空気よりは簡単な気がします。
ならなんか出来る気がしてきました。
明日、試してみます。
なんか出来ると思います。