2022/09/10
「これよむ」
「妖夢です」
「今日はチキンステーキだそうよ」
「なんとステーキですか」
「牛さんではなく鶏さんよ」
「はい。チキンは鶏の意だと私は知っています。食べ物の横文字なら詳しいのです」
「ふむ」
「……」
「……」
「なんでしょうか」
「弾幕ごっこしましょ」
「え」
ということでお夕飯前に死にものぐるいをしてきました。
本日のメニュー
・大根おろしのチキンステーキ
・オクラサラダ
・焼きいんげん
・焼きにんじん
「……あの、幽々子様」
「なあにカセさん」
「おたくの妖夢ちゃん、なんか泣きながらごはん食べてるんですけど」
「何を噛み締めているのかしらね」
生です。
生と肉です。
私は生きています。
ぎりぎり幽々子様のちょうちょにひっかかった気がしますが、今日も私は生きています。
半分だけ。
「ごはんがおいじいのでず」
「幽々子様」
「なあにカセさん」
「あんまり従者、というか妖夢ちゃんをいじめるのは……」
「……いじめてないわよ?」
「ごはんおいじいでず」
「……妖夢、私いじめた?」
いじめではないです。
ぎりぎりですが。
もういい加減あのちょうちょ使わないで欲しいです。
当たったらしぬので。半分。
「妖夢、チキンわけたげるから」
「おいじいでず」
「……」
なんか皆さんに不憫な目で見られました。
でも、生還してのステーキは最高に美味しかったです。
涙が止まりませんでしたが。
人は生を実感している時に涙を流すのだと実感した日でした。
もうやりません。幽々子様だろうと次は断ります。
絶対です。