2022/11/11
「こんこん幽々子様、ちょっとお話が」
「お入りなさい」
久しぶりに来た幽々子様の部屋にはいつもの匂いがします。
お花のようなお線香のような、幽々子様の匂いです。
「ガジュちゃん長生きですね」*1
「そりゃもう、私がお世話しているんだもの」
幽々子様のおひざでお世話をされガジュちゃんは気持ちよさそうでした。
「話って」
「あ、そうですお話が」
「ふむ」
「今日のお夕飯です、多分それでY子さんが作っていたんです」
「日本語が壊滅的だけど、何を?」
「カレーパンで……いない……?!」
幽々子様は消え去っていました。
本日のメニュー
・カレーパン
・スクランブルエッグ
・プチトマト
・チキンサラダ
「幽々子様、さっきなぜ消えたんですか」
「だってカレーパン揚げてる所見たいじゃない」
「確かにそうですが」
溶けたかと思って部屋の畳を調べたりしていました。
安心です。
カレーパンで主人が溶けたら笑い話にすらなりません。
「でもカレーパンって大変ねえ。Y子さんお疲れ様」
「いえいえ」
「その分美味しいです」
「そうねえ。Y子さんが大変なぶん、私たちは満足できるのよねえ」
「まあその分明日の朝手を抜くんで」
「あうん」
とのことでした。
手の抜き方を知っているY子さんはすごいです。
カレーパン、ごちそうさまでした。
揚げたてあちあちでさくさく、幸せです。
*1 2015/11/21