2023/04/19
本日のおやつ
・ぜんざい
「お隣よろしいでしょうか」
「あ、どぞ」
里の甘味屋であんこに舌鼓を打っている時のことです。
閻魔様がやってきました。
「ご無沙汰しております」
「年末の宴会以来でしょうか」
「ええ、あの時はどうも」
「いえいえこちらこそ閻魔様が来て頂けると場がぴりっとするので」
「……皮肉です?」
「え? 事実です」
「……」
「胡椒のように場が引き締まるのでとても良い塩梅になるのです」
「そうだ、こういう子だった」
どういう子なのでしょう。
私はどんな目で見られているのでしょうか。
「どうですか最近は」
「いつも通り私は満点です」
「なんの躊躇いも無いのは本当にすごいことです。が、少し傲慢が過ぎる」
「あ、お話の前に少し良いですか」
「なんでしょう」
「そのフルーツみつ豆、ぜんざいとちょっとずつ交換しませんか」
「素敵な提案です。ここはあんこが美味しいですからね。それでも久しく食べていなかったフルーツみつ豆の魅力には敵わなかったというか」
「わかりますわかります」
お説教を聞くつもりでしたが、お菓子愛のおかげでまぬがれました。
今度からこれを使いましょう。
幽々子様に一連のお話をしたら「成長したのね」と褒められました。
私は成長しています。
閻魔様もなんのそのです。
次も同じ手法でくぐり抜けましょう。
まあ、私は成長していますからね