2023/07/25
「幽々子様」
「ふむ」
「夕方でもまだまだ暑いですね」
「……」
そろそろお夕飯だと居間に向かう途中、幽々子様に出会いました。
廊下でうろうろしていてなにやら落ち着かない様子です。
「どうされたんです? そろそろごはんでは」
「なにか怖いのよ」
「ど、どうされたんですか」
「一緒に行きましょう」
こんなに弱気な幽々子様は珍しいです。
私は周りを警戒しながら、幽々子様を守りつつ居間に向かいました。
そして、その招待を見たのです。
本日のメニュー
・あつあつ小籠包
・レバニラ炒め
・もやしたまごスープ
「う、うわあ!」
「妖夢ちゃん? 出来てるやつから持ってって」
「Y子さんの姿が見えません!」
湯気でもわもわのおだいどこは戦場でした。
夏より夏の温度です。
Y子さんがしなないか心配です。
もうしんでしますが。
「幽々子様、これに気づいていたんですね」
「Y子さんて暑いのに熱いの作るの好きねえ」
びちょびちょのY子さんは水浴びするとのことで、先にいただきました。
熱々が美味しいとのことです。
「あっじい!」
「これ妖夢静かに食べあつつつつ」
「……」
私たちの様子を見てカセさんはレンゲの上で小籠包を割って食べていました。
それが正解です。
「それにしても出すぎじゃないですか肉汁」
「これはもう贅沢品ねえ」
水浴びあがりのY子さんは熱さで苦しんでる私たちを見つけて笑いながら帰ってきました。
小籠包はあちちちで美味しかったですが、汗だくになりました。
しぬかしなないかの食事は最高です。
汗だくでもりもり食べるのは、夏の風物詩な気がします。
ごちそうさまでした。