2023/11/04
「幽々子様、いただきますの前にいいですか」
「あら珍しい。どうぞY子さん」
こほん、と咳払いしてY子さんが口を開きます。
「私は革命的な発明をしてしまったかもしれません」
「ふむ。……これのこと?」
「汁なしカレーうどんです。服にカレーが飛びません」
「……」
幽々子様は黙ってうなずきました。
皆の注目を浴びながら、懐の扇子を開きました。
「あっぱれ」
あっぱれ出ました。
本日のメニュー
・汁なしカレーうどん
・ほうれん草のおひたし
・トマトスープ
「幽々子様、いかがでしょうか」
「めちゃんこ美味しい」
「ほんとに、めちゃんこ美味しいですよY子さん」
「カセさんは?」
「……めちゃんこ」
「ありがとうめちゃんこ」
めちゃんこでした。
朝からカレーうどんってすごいなと思いましたが、これならめちゃんこです(?)
「ちゅびびび。うーん、美味しい。やっぱりカレーうどんを食べる時は気を使ってたのね」
「それがわかりますね! 美味しいですじゅぞぞぞん!」
「妖夢ちゃんって馬鹿みたいに服に汁飛ばすでしょ?」
「飛ばしますが、もっと優しい言い方なかったんですか」
「そんな妖夢でもあんまり飛んでないわね」
「あんまり、なのが悲しい所ですね」
私の力が大きすぎるせいで少し飛びました。
Y子さんの革命的な発明をもってしてもだめです。
……。
服、着替えてきます。
次から油断せず、もっとおしとやかに食べます。