2023/12/10
白玉楼では毎年年末に各所へ忘年会の招待状を持ってご挨拶をしに行きます。
今年は早いうちに済ましていたので、あと私の分担は幽香さんの所だけです。
「それじゃあ紫の所行ってくるけど、妖夢、これ忘れてないわよね」
「忘れてないです。ちゃんと幽香さんち行きます」
「今日にでも行けばいいじゃないの」
「ちょっとあれなんですよ。あの、あれがまだなのでだめです」
「流石に私でもわからないわ」
いつも心を読んでるのかくらいの幽々子様でもわかってくれませんでした。
「あの、写真のお話をしたと思います。アルバムです」*1
「あの子の家で一緒に作ってるっていう」
「実は内緒で花果子念報の切り抜きも編んでるんです」
「編んでるって?」
「新聞を切って、お気に入りを可愛い紐でくくって保存してるんです」
「女の子みたいなことをしているのねあなたは」
「女の子なので。で、それがもう少しで完成するので、見せたいんです」
「まあそういうことなら。忘れるんじゃないわよ」
「わかりました!」
「……忘れそうねえ」
「頑張ります」
「頑張るだけじゃ忘れるのよ。Y子さんに今の話しておきなさい」
「あ、はい」
おやつついでにY子さんにこの話をしました。
本日のおやつ
・焼き芋
「ほぐほぐ。なのでそれが完成したら忘年会の招待状と一緒に持っていきます」
「ほーん、いいじゃない」
「でもなんで幽々子様はY子さんに話せって言ったんでしょう」
「さあ?」
「こういう時は、人を巻き込んだほうがいいから」
「どういうことですかカセさん」
「自分一人だと忘れると終わりだけど、人に話したら誰かが覚えてるかも知れないでしょ」
「確かにそうです」
「あと人に話すと忘れづらくなるとも聞いたことある」
「カセさん賢いですね!」
「うむ」
「へえ。まあ私は忘れないからね」
Y子さんが負け惜しみしていました。
これは負けおしみのはずです。
ともかく、切り抜きはしっかり完成させましょう。
きっと幽香さんを待たせていますので。
*1 2023/08/31