2024/04/01
「ばずず」
「おはよ」
「おあざす」
顔を洗ってたらカセさんがやってきました。
「あったかくなってきたけど水はまだ冷たいですね」
「本当にね」
「早くあったかくなってほしいです」
「おいっすー」
「おーう」
「あ、フミタさんおはようございます」
「うすうす。そういやカセさんこころちゃんと付き合うことになったけようだけど進展どう?」
「どぅえええ?!?!?」
「いやウソだよウソの日だろ」
「あ、そうですか」
「あ、な、なんだウソか……」
「なんでカセさんがビビってんだよ」
カセさんは一瞬想像してしまったようで心臓をおさえていました。
相変わらずです。
本日のメニュー
・肉じゃが
・たまご焼き
・納豆
・じゃこやっこ
・あぶらげのおみそ汁
・野沢菜のお漬物
「ぼう……」
「妖夢、これ妖夢。カセさんはどうしたの」
「実はこしょこしょ」
「なるほど」
カセさんは朝ごはんの時でも夢現でした。
納豆をかき混ぜては止まり、かき混ぜては止まりです。
「幽々子様、このままだとカセさんが廃人になってしまいます」
「言う時は言うのねこの子は」
「しゃんとしてあげてください。きっと仕事も出来ません」
「そうねえ」
幽々子様はこほんと咳払いするとカセさんに声をかけました。
「カセさん納豆中ごめんね」
「は、はい幽々子様」
「普段真面目なカセさんだからこそこうなってしまうのねえ」
「失礼しました。少し春の陽気で頭の方が」
「こころちゃん」
「ぼう……」
だめでした。
カセさんは頭は春の中です。
「徒心は流石に言いすぎですけど」
「……」
「カセさん、あなたは誰の従者なの?」
「……主人にそこまで言わせるとは、誠に申し訳ございません」
「いいのよ。でも罰として今日のカセさんはお休み」
「え」
「一日自由にしなさい。そして明日しゃんとすればいいのよ」
さすがの幽々子様です。
カセさんは深く頭を下げて納豆を混ぜるのを再開しました。
幽々子様のおかげです。
そしてフミタさんのせいです。
ウソは良いですがもっと平和なのにしてほしいです。
少なくとも今日のウソは、カセさんにとって大変危険なものでした。
……結局、私は誰にもウソをつけなかったですが。
まあ、いいです。
その方が平和ですし。