2024/10/30
「これ妖夢」
「ばあい!」
縁側でうとうとしていたら幽々子様の声で起きました。
びっくりします。
主人の声は一番びっくりします。
「ざい、なんでせう」
「居眠り中悪いのだけど」
「いえ、瞑想をしておりました」
「……」
「居眠りですなので触ったらしぬちょうちょを出さないでください」
「うむ」
うそはいけません。
主人は見抜いてきます。
まあ見抜いてこなくてもいけないんですが。
「あなた暇ならカセさんを手伝ってきなさい」
「あ、そういうことでしたら。今忙しいんですっけ?」
「急に寒くなったでしょ」
「急用を思い出しました」
「だから衣替えが大変だってねえ誰か暇ならいいのにねえ」
「わかりましたからそのちょうちょしまってください!」
この時期の清掃グループはぴりぴりしています。
一番いそがしい時期だから仕方がありません。
清掃の方々の部屋に向かっているとフミタさんと出会いました。
「うっすどうしたびくびくして」
「カセさんを手伝えと幽々子様に言われまして……」
「めちゃくちゃ嫌そうやんけ」
「嫌です」
「はっきり言いすぎやろ。あ、じゃあY子ちゃんに言っておやつ休憩にしよう」
「へ?」
「昼も『ながら』だったし朝から根詰めて作業だぜー。もう皆疲れてんだよ」
「なるほど」
ということでフミタさんと一緒にY子さんのところにいって、おやつを清掃部屋に持っていきました。
「ちょっと待て妖夢ちゃん、カセさんに先に一言いってくる」
「え」
「突然入ったらイラッとしそうだしカセさん」
「わかりましたフミタさんの許しが出るまで一生動きません」
酔っ払ったカセさんはふにゃふにゃですが、仕事中のカセさんは怖いです。
絶対にそれがいいです。
こっそり様子を覗くことにしました。
「カセさんあっち終わったで。そろそろ休憩せんか皆疲れてるだろ」
「……もうこんな時間か。気づかなかった」
「妖夢ちゃんにおやつ持たせてそこに待機してるから休憩すんべ」
「準備がよろしいことで。まあ確かにちょっと長引いたね。休憩しよう。他にも伝えてきて」
「うーっし皆休憩! 妖夢ちゃんおやつもってこーい!」
「はい!」
本日のおやつ
・Y子さんまんじゅう
・Y子さんまんじゅう(クリーム)
・Y子さんまんじゅう(チョコ)
のちのちツシノゾのお二人に聞いたら「おやつ持ってきた妖夢さんが天使に見えた」だそうでした。
この時期の清掃は本当に大忙しです。
私も手伝うようにしましょう。
まあ、嫌ですがせっかく大変なら私も一緒に大変になります。
皆の白玉楼ですし。