2025/12/13
「め、珍しい」
「んおー」
「どうも」
甘味処に行ったらにとりと幽香さんが居ました。
あんまり見ない組み合わせです。
本日のおやつ
・白玉お汁粉
「ずずず……はあ暖まります」
「よう、あんたも入れよ」
「え、わかりました。いいんですか?」
「貴方も当事者だからね」
「私気づいたら当事者になってたんです?」
驚きです。
お汁粉をすすりつつ耳を傾けました。
「んじゃ軽く振り返るけど、こないだの店みたいなのをもう少し大きくしたいと」
「個展」
「あーそれ個展」
「なるほど、個展の話ですか」*1
それならわかります。
私は当事者です。
「設計だけと施工までで料金は変わるけど」
「私はノウハウが無いから全部まかせたいわ」
「もぐもぐ……」
「お金はかかるよ?」
「構わないわ」
「ずずず……」
「採算取れるの?」
「そもそもそれが目的じゃないから」
「んー変なの。まあうちは金貰えれば」
「あの、私いる意味あります?」
「まあ落ち着きなさい。影狼と仲良かったわよね?」
「え、はい、大の仲良しです」
「じゃあよし」
「じゃあよしですか」
あとの話は難しすぎてあんまりわかりませんでした。
にとりは了解了解とぶつぶつ喋りながら帰っていきました。
「結局私の意味は……」
「いいのいいの。貴方が居るのが大事だから」
「そうなんです?」
「河童は臆病だから。貴方が来るまでおっかなびっくりだったのよ」
「ほえー」
「ふたりきりだと緊張するだろうと思ってここに呼び出して」
「なるほどそういうことでしたか」
二人の間をのびのびさせるために必要だったらしいです。
私、役立ちました。
「そういえば今泉さんも前回お手伝いしてたんですか? 当日は私しかいませんでしたが」*2
「前日までの設営を手伝ってもらってたわ」
「なるほど、確かにそれは今泉さん向けです」
多分単純な力比べなら私より強いと思いますし。
「今度は二人に色々やってもらいたいわね。お礼もしっかりするけどどう?」
「むしろやらせてくださいな気持ちです!」
「ありがとう」
「い……いえ、とんでもないだす」
「だす?」
「なんか面と向かって言われると照れます」
「ん。じゃあよろしく」
ということでまた個展を開くようで、楽しみです。
今度はどういうものになるのでしょうか。
私も頑張ります。
また鯢呑亭おごってくれるでしょうし。
*1 ★特集「花の個展特集」
*2 2025/04/14

