2020/11/22
「いや喧嘩じゃ勝てるわけ無いじゃん? 相手角生えてるし」
「ですね。私でも無理かも知れません」
「だからどうしようかなと思って、こっちも全裸じゃん? だから魅力的なポーズ対決しようぜって言ってさ」
「なんでそうなるんです?」
「私が光の早さで先手とって左足の親指しゃぶるポーズしてさ」
「魅力的ってなんなんでしょう」
「相手も対抗してブリッジしてさ」
「ふたりとも全裸ですよね?」
「んで同点」
「基準がわかりません」
「そんで仲良くなった」
「全部聞いたけどよくわかりませんでしたね」
昨日の出来事を説明してもらいました。*1
Y子さんが終始笑っていましたがよくわかりませんでした。
実際にその現場を見たらもっとすごいのでしょうか。
「つーことでそいつに教えてもらったパン屋」
「めっちゃうまいですね」
本日のメニュー
・ベーコンパン
・コーンパン
・カフェラッテ
最終日の朝ごはんは朝ごパンになりました。
こんなお洒落なものが旧都で食べられるとは思いませんでした。
「今日どこ行くべ」
「地獄はだいたい回ったか」
「酒蔵とかあるみたいですよ。Y子さんどこ行きたいです?」
「うーん、なんか地獄飽きたわね」
「え」
Y子さんが唐突にそう言いました。
「Y子ちゃん急にどしたん」
「山の温泉行かない? 妖夢ちゃん危なくない道知ってるでしょ」
「余裕です。コーンパンもう一個食べてきますね」
ということなので私達は山に向かうことになりました。
今日の朝の日記はここまでです。
白玉楼に帰ってきました。
あの後は目まぐるしい予定をこなしました。
まずお昼まで宿でだらだらとしたあと、お土産を買いに行きました。
他の従者仲間の分、そして紫様たちの分、あとは個人の分です。
私は咲夜(紅魔館の皆様)、早苗、アリスさんに今泉さん、せっちゃんさんとルーミアです。
書いてるうちに思い出しましたが、鈴仙の分は忘れていたので残ったものをあげます。
「重い……」
「何言ってるんですかカセさん、私を見てください!」
「あ、うん。見てるけど見てるだけで重い」
私は皆さんの四倍くらいは荷物を持ちました。
こういう時に魂魄妖夢は役立ちます!
「ねえねえ山行く前に白玉楼戻ってお土産置いてかない?」
「天才」
「え、天才なんですかそれ」
ということで何故か旅行の途中で白玉楼に戻りました。
旅行とはいったい何でしょう。
「あらY子さん、早かったわねえ。すごい荷物。おかえりなさい」
「まだ帰ってません」
「ふえ?」
「またこれから出ますので」
「ほえ?」
「おかえりって言わないでください」
「……妖夢ぅ、どういうことー?」
「私に聞かれても……温泉行ってきます」
「え~?」
首をひねる幽々子様を背に、私達は妖怪の山に向かいました。
とても身軽です。
山の温泉は早苗の家の近くにあるので比較的安全ですが、道中が危険です。
「でもですね、ロープウェーというのがあるのです」
「おおお!」
私が案内すると皆さん喜んでいるようでした。
「これがいつも私が弾幕ごっこで見ている風景ですよ!」
「見てY子さんあれ団子屋」
「わあ、小さいわねえ」
「バンジーやりてえな」
「聞いちゃいないですね。というか皆さん幽霊ですしある程度浮けますよね」
そんなこんなで温泉につきます。
私達が脱衣所でにぎにぎ服を脱いでいると何やら視線が集まっていることに気づきました。
「なんぞ。私のボデーに文句あるのか?」
フミタさんが天狗に物怖じせず聞きました。
こういう所、本当にすごいです。
「いや、あんたら鬼の匂いがする」
お年を召した天狗の女性はそう言いました。
どうやら鬼の匂いがする幽霊はちょっと引かれるみたいです。
安心して温泉に飛び込みます。
「はあ、いいお湯」
「ですねー!」
「妖夢ちゃん地獄との違いわかる?」
「わかりますよ! 地獄はぬめぬめ保湿ですが山はさらさら保湿です」
「保湿って言ってりゃ良いと思ってない?」
「思ってます」
カセさんはずかずか言ってきます。
本日のメニュー
・牛乳(三本)
「濃い! すごく濃いですよそして甘くてちょっと臭い!」
「あの子恥ずかしいなあ……」
「フミタさんに似たのね」
「おいおい、あんたらもあいつと同じだからな」
なんか皆に指さされていました。
美味しすぎたので三本も飲んでしまいました。
フミタさんは五本です。絶対お腹こわします。
「夕ごはん何する?」
「……正直な話言っていい?」
「どうぞカセさん」
「Y子さんのごはん食べたい」
「あー」
「それな。それ。私もそう言おうと思ってたんだよそれ」
「えー、だるい」
「まあまあ。手伝うから」
「カセさんが手伝ってくれるなら、まあ」
「フミタ、あんたも」
「ういー」
「私はどうしましょうか!」
「幽々子様の相手」
「あい」
ということで夕ごはんは外で食べず、Y子さんの簡単なごはんで旅行を締めくくることになりました。
二回おかえりなさいをした幽々子様は終始混乱していましたが、後でちゃんと説明したいと思います。
ごはんの炊ける匂いがしてきました。
二泊三日の地獄温泉旅行、楽しかったです。
充電した私達はこれで明日からがんばれます!
今日はぷち宴会です。
幽々子様にお土産のお酒を飲んでもらい、いっぱいお土産話をしたいと思います!
行ってきます!
*1 2020/11/21