2022/05/09
「なるほど人を斬る時は心を平常に。勉強になりますね」
「……」
「わっびっくりした」
「おやつ」
「は、はい」
本を読んでいたらなんか半分だけ顔が出ているY子さんが来ていました。
気配がなかったです。まるで幽霊です。
本日のおやつ
・葛まんじゅう
「わあキレイ」
「でしょ」
なんか今日のY子さんはおとなしいです。
幽々子様もちらちら様子を伺うくらい静かです。
「妖夢これ妖夢これ」
「なんですかこれ」
「Y子さんに聞きなさいなんでそんなすんとしているのか」
「すんとしていますよね。じゃあ聞いてみます」
普通にこの会話も聞こえていると思いますが。
「Y子さんなんで今日はそんなにすんとしているのですか」
「わからない?」
「はい」
「この私特製のお菓子を見て」
「見てます。とてもキレイです。透明なので中のあんこが見えてるのが素敵すぎます。こんなお菓子白玉楼に居ないと見られません」
「妖夢ちゃんいい子」
撫でられました。
私はいい子なので。
「このお菓子のように私もキレイにあろうと思ってるのよ」
「なるほど。そういうことですか。確かにY子さん今日はキレイですね」
「んもういい子」
葛まんじゅうを半分もらいました。
私はいい子過ぎます。
「妖夢、私がY子さんに聞くようお願いしたんだから実質それは私のものではなくて?」
「幽々子様は心がキレイじゃないですねいたいいたい冗談ですすみません」
思い切りつねられました。
でも渡しませんでした。
私はいい子なので食べて良いんです。
主人とはいえ譲れない思いでした。
葛まんじゅう、美味しかったです。