2022/07/30
「ですからここがこうなんですよ」
「わからん」
「ここですよ。見てます? ここが、……こう」
「情報が一向に増えんな」
「……ぬっ」
部屋でフミタさんと談笑していたらY子さんが部屋にやってきました。
ぬって。ぬって来ました。
ぬって言ってました。
「びっくりしました。どうしたんですかY子さん」
「来て」
「え」
「フミタさんも」
「行くか」
「え、あ、はい」
なんかこんな感じの雰囲気のY子さんは行ったほうが得です。
幽霊のようにふらふら歩くY子さんの背中を追いかけました。
本日のおやつ
・もも
「わあもも!」
「キレイでしょ」
「ですねー。食べて良いんですか」
「こっち来て」
「あ、はい」
ももを持たされて縁側にやってきました。
おやつを食べるなら居間で良いはずですが。
フミタさんはY子さんの空気に合わせて素直に何も言わず従ってました。
「真似して」
「はい」
「皮むく」
「あい」
「むききる」
「さい」
「はばぶし」
「?!」
「はばぶし」はY子さんがももにかぶりついた音です。
そんな感じの音がしていました。
ももを一心不乱にむさぼっています。
「ごちそうさま」
「Y子さんお口の周りべっしょべしょですよ」
「ということでどうぞ」
「お口の周りばっちゃばちゃですよ」
「どうぞ」
なんか圧がすごかったです。
「皮むくだろ」
「あ、フミタさん」
「むききるだろ」
「……」
「ばぶりしゃ」
「?!」
何でしょうか。ももは一気にかぶりついてむさぼらないといけないのでしょうか。
私も真似します。
「皮むいて」
「うむ」
「むききりました」
「うむうむ」
「じゃぼちゃ」
気持ちよかったです。
汚れてもいい場所でお口と手をぼしゃぼしゃにしながら食べるももは最高でした。
またやりたいです。
が、終始それを見ていた主人がなんか優しい目を向けてきたので、今度はバレないようにやります。
ももはむさぼるに限ります。