2024/03/19
「ゆ」
「入りなさい」
「ぎい!」
幽々子様の部屋の外から話しかけたら後ろにいました。
幽々子様はたまに幽霊みたいなことします。
「やめてくださいよ夜ですよ」
「昼ならいいの?」
「そこまで驚かないです」
「いいから入りなさいなまだ廊下は寒いわ」
「入るまする」
もともと入るつもりでしたので入りました。
「お納めください」
「ふむ」
秘蔵の栗まんじゅうももちろん持ってきました。
本日の秘密のおやつ
・栗まんじゅう
「食べながらでよろしいので。ちょっとお引越しについて」*1
「ぽみ」
お花見前大お引越しのことです。
「私の部屋のお引越しが終わりそうにありません」
「ぽむ」
「どうしたらいいでしょう」
「ごくん。妖夢にしては、事前に相談できたわね」
なんかちょっと褒められました。
ぎりぎりになる前に相談しろと念押しされたからです。*2
「これ妖夢」
「ここに居ます」
「あなたの強みは何」
「強みですか。ええと剣の技術とお庭のせんていのセンスというか」
「そう、その純粋な無邪気さね」
「え、あ、はい、そうだす」
「ヒントはお酒よ」
「……」
「答えを知りたがってるわね」
「答えを知りたがっています」
「皆に頼りなさいな」
「でも皆も忙しいです」
「ならもっと忙しくしなさい。一生そうじゃないんだから」
「……」
「何のためにたくさん従者を置いていると思うのよ」
「まあ、そうですね」
「何のために秘密の飲み会をしているのよ」
「……あのお二人なんて一番忙しいのでは?」
カセさんフミタさんのことです。
珍しく最近はフミタさんも忙しくばたばたしています。
「だから相談なさい」
「……わかりました。明日はずれ会があるので」
「はずれ会?」
「あ、そういう名前になったんです」
「あら知らなかった。ほら私ですら言われないと知らないのよ。妖夢がわたわたしてぴえんしてるなんて相談されないと誰もわからないわ」
わたわたしてぴえんなんてしていませんが。
明日相談してみることにします。
……お忙しい二人に聞くのはちょっとはばかられますが。
幽々子様の言うことですし。
*1 2024/03/13
*2 2024/03/16