2024/03/24
本日のおやつ
・Y子さんまんじゅう
「妖夢ちゃんそれマジ?」
「マジだと思いますよ。流石にアリスさんがウソを付くとは思えないですし」
「……」
「フミタさんそんな真面目な顔出来たんですね」
「真面目にもなるだろ」
それはおやつのことです。
白玉楼最大の宴会、お花見までもうすぐです。
おやつも変則的に取る形なのですが、その際になんとなしに話した内容でフミタさんが真面目になってしまいました。
「それカセさんにはまだだよな?」
「まだです」
「だよな言ってたら平常心でいられないだろ」
「そんなですか?」
「この間のはずれ会、妖夢ちゃん来なかった時な」
「はい」
「こころちゃんと自分の妄想ストーリーを延々を話された私の気持ちわかるか?」
「ごめんなさい」
最近身を潜めていると思ったら、しっかり進行していました。
カセさんはこころちゃんが大好き過ぎます。
こころちゃんがお花見に来るとなったらカセさんはどうなってしまうのでしょう。
「最近あの人も相手のことを考えて会おうとしなかったのに」
「ど、どういうことです?」
「愛が深すぎて二人きりで会ったらどうにかしてしまいそうだと」
「ギリギリですねカセさん」
「ギリギリアウトの方な。一応大人だったのに」
「あちらから来るとまずいと」
「事前に言っておかないと爆発するかもしれんから今のうちに一緒に伝えるぞ」
「あい」
ということでY子さんまんじゅうを持ってカセさんのところに行きました。
温かいお茶も一緒にです。
「カセさんおつかれ」
「お疲れ様です」
「二人して……おやつの時間かもう」
「今日のY子ちゃんのやつもうめえから持ってきた。ちょっと休憩しようぜ」
「ん、サンキュ」
「……フミタさん、どう切り出すんですか」
「任せとけって。自信無いけど」
「何をこそこそと」
「うんにゃ。まんじゅううめえなって」
「ですです」
「まあいいけど。……フミタ、今日中に終わりそう?」
「終わる終わる。いやーでもしっかりやらないとな」
「うん? まあ」
「カセさんの仕事っぷりがなー今日も輝いてるからなー」
「……何急に」
「いや、ほら、こういう姿見せたいよなって。カセさん格好いいんだからこう、外にもな」
「あ、そうでそうです。カセさんの働きは白玉楼の中だけでもなく外にもパピーヌしていくべきです」
「アピール」
「それです」
「……フミタ、本質を言いなさい」
「いや、例えばな? 例えばこころちゃんがカセさんの仕事を見たらどう思うかなって」
「こころちゃんが? 私の仕事を?」
「フミタさんやばいです。カセさんの瞳孔が開き切りました」
「もはやこころちゃん名前を言ってはいけない人だろ」
「私が来たわよ~」
カセさんの瞳孔が開くと同時に幽々子様がやってきました。
私達の間のY子さんまんじゅうを片手に何の話をしていたか聞いてきました。
「あの、こころちゃんがお花見に来ると噂を聞いたので報告を」
「ああ来るわよあの子。ちゃんと舞を披露したいって申し出もあったくらい」
「こころちゃんが舞を? 白玉楼で? 来るだけではなく? 私のために?」
「もうだめだカセさんには刺激が強すぎる。妖夢ちゃんあとは幽々子様にまかせて行くべ」
「そういましょう」
「え~?」
幽々子様にまかせました。
もはや私たちにどうこうできる話じゃないんです。
お祖父様の前で何か粗相をした時くらい変な汗をかきました。
お仕事しましょう、お仕事。
あのあとどうなったか。
明日聞いてみましょう。
きっとこういうのは時間が解決してくれます。
幽々子様、すみません。