2024/09/11
「妖夢ちゃんいるー?」
「居ますよ」
庭でお仕事をしていたらY子さんが縁側に出てきました。
こういう時はだいたいお手伝いです。
「あと少しでキリが良いのでおだいどこ行きます」
「助かるーありがとね」
「いえいえ」
「……」
「どうしたんです?」
「妖夢ちゃんって仕事してるんだ」
「なんか昨日フミタさんにも言われましたね」*1
私だってこの白玉楼の立派な庭師です。
このお庭は私の手にかかっているのです。
本日の秘密のおやつ
・サイダー
「ふうふう、結構踏んでますけど」
「あーい」
私がお夕飯のうどんを踏んでいる間、Y子さんは居間でごろごろしていました。
こういう休憩ができる人が長く働ける人なんでしょう。
「んじゃこれサイダー飲んでね甘いやつ」
「わあい」
こういうご褒美があるとやる気が出るってもんです。
「Y子さん私そんなにお仕事してないように見えます?」
「え? 気にしてんの?」
「いえそういうわけでなく単純な疑問です」
「まあ冗談よ……半分は」
「それ半分は本気ってことですよね?」
「いや私庭見ないからわからないわよ」
「Y子さん庭見ないですもんね」
「私庭見ない」
Y子さん庭見ません。
なら仕方ないです。
「庭見てそうなフミタさんに聞けば?」
「昨日フミタさんに『仕事してるの?』って聞かれました」
「……なんかごめん」
謝られると余計にあれです。
でもまあ、見られなくても良いです。
庭はそこにあるのが大事なのですから。
そこに毅然として佇んでいる。
それが庭なのです。
たぶん。
*1 2024/09/10