2024/09/28
「これ妖夢」
「うふぁ!」
縁側でうとうとしているところに幽々子様が話しかけてきました。
並の人なら気配でわかりますが、主人はわかりません。
「な、なんですかずずず」
「よだれまみれになってる場合じゃないわ。こっちに来なさい」
「え、はい」
寝ぼけ頭をふらつかせながらついていきました。
なにやらおだいどこでいい匂いがしてるというのに気づいたのは、もう目の前にたどり着いてからです。
本日のおやつ
・ツシマさんまんじゅう
「これうちの従者」
「私が育てた」
「んふー」
ツシマさんが自信満々に胸をそっていました。
その隣で幽々子様とY子さんがツシマさんの頭をなでています。
「最近色々任されると思ったらとうとう幽々子様のおやつにまで」
「私のお墨付き」
「Y子さんがついてるなら問題ないですねぱくー」
「ど、どうですか妖夢さん」
「……幽々子様」
「ん?」
「あの、幽々子様がたまにいってるやつなんでしたっけ『止まり木』みたいなやつこしょこしょ」
「ちょべりぐ?」
「ツシマさん、ちょべりぐです!」
「わあ!」
「わざわざ主人の言葉で言わなくても」
Y子さんの指摘はさておき、ちょべりぐでした。
お墨付きなだけあります。
付いています、お墨。
「いやあ本当に美味しいですよもしかしたらY子さんまんじゅうに匹敵するかもしれません」
「そうねえ、全くうちの従者はよく育つわこれもY子さんの育て方が良いのね」
「いえいえ、えへへ」
「これはY子さんもうかうかしていられませんね?」
「は? 本気で言ってんの妖夢ちゃん」
「妖夢はやく謝りなさい迅速に間もなく」
「ひい……」
謝りました。
となりのツシマさんも主人も引くくらい怖い気が漂ってきました。
危なかったです。
怒らせてはいけない人を怒らせるところでした。
気をつけないと。
本当に。