2024/10/15
「妖夢ちゃん入るぞー」
「ええっ！！！ ……どうぞ」
なんとフミタさんが入る前に声をかけてきました。*1
いつもはどかどか我が物顔で入ってくるのに。
「何してたん？」
「ちょっと趣味を。知り合いが新聞に花の写真を載せているので切り抜きをまとめてるんです」
「ほー女の子みたいなことしてるな」
「女の子なんですよ」
「おーこんなテープで可愛くしてきれいにまとめて」
「良い趣味でしょう」
「まあ真面目で健全すぎてちょっと引くけどな」
「ふふん」
「褒めてねえって。でもよくやるもんだな」
「ところで何の用ですか？」
「幽々子様が緊急だって。一分以内に来なきゃ白玉楼クビだってよ」
「なんでそんなにのんびりしてるんですかあ！！！」
急いで幽々子様の部屋に向かいました。
フミタさんが素直に部屋に来た時点でもっと怪しむべきでした。
本日のおやつ
・ラテアートの飲み物（たぶんコーヒー牛乳）
「……」
「……」
「Ｙ子さん、幽々子様が目を合わせてくれません……」
「渾身の出来のラテアート見せたかったのに妖夢ちゃん来るの遅いから飲んじゃったのよ」
「だって……フミタさんが……」
「ちなみにうちは見たぜ！」
「フミタさん後で斬りますから。これは冗談じゃないです私は嘘をつきません」
「やっべえマジの妖夢ちゃんの目だ」
「Ｙ子さん、幽々子様が何を描いたか教えて下さい」
「……ふるふる」
「幽々子様が首を横に振ったから私はもう黙ることにするわね」
「そんな……」
全てはフミタさんの責任です。
私は悪くありません。
「幽々子様、もう一回やってください私みたいです幽々子様のお絵かき」
「ラテアートだけどな」
「まあ、何回か分の材料はあるので。幽々子様、妖夢ちゃんのためにもう一回どうです？」
「……後でフミタさんは反魂蝶の刑として」
「みんな、うち今日でお別れかもしれん」
「仕方がないわねえ。私の傑作目に焼き付けなさいよ妖夢」
「幽々子様！」
幽々子様はお優しいです。
みんなでおだいどこに行って幽々子様にやってもらいました！
ミルクは私の高速しゃかしゃかで泡立てました！
「ここでこれをこうして、ほら。どうよ二回目だからさっきより上手だわ」
「すごいこんなことできるんですね！ これくまですよねくま！ かわいいくまですね！」
「……」
「……え？」
「妖夢ちゃん、それ猫……」
「フミタさん、どうやら私もあとを追うみたいです」
夕飯まで幽々子様は口を聞いてくれませんでした。
フミタさんと一緒に土下座したらちょっとだけ許してもらいました。
明日はおやつを買いに行きましょう。
里の甘味処のおみやを持っていったら喜んでくれるはずです。
そういえばフミタさん斬るの忘れてました。
明日の朝斬りましょう。
*1 ★特集「ノックをしないフミタさん掛け声集」
