👻キャラ紹介「ツシマ」「ノゾっち」「ナコ」「イマナ」を更新しました👻

2025-05-26

2025/05/26

「す、すごい」

 今日は幽香さんが里の小屋を借りて個展を開く日です。
 私はお手伝いに来ました。

「あ、来た来た」
「すごいお花ですね、これどなたから?」
「憎き友人らから」

 そこにはお偉い方々の名前が付けられたお花がいっぱい飾られていました。
 永遠亭のお医者様や、アリスさん、レミリアに紫様が名前を隠す時によく使う名前もありました。

「あれ、幽々子様のもある。……そうだこれは白玉楼からです。キレイなお菓子です」
「ありがとう。後で食べましょう」
「はい! ばりばり仕事しますよ!」
「掛け声とかいらないからね。声をかけられた時だけ対応して」
「はい……」

 私は写真を買いたいという人とお金のやりとりをする係です。
 今回の展示は花の写真がほとんどだと聞いていました。
 けど中に入ると実物の花もありました。

「写真だけじゃ悲しいかなと思ったら逆に賑やかになっちゃったわ」
「でもこの方が面白いですよ。写真ではわからない実物のこう、角度とか見れますし、匂いもわかります」
「……良い事言うわね」
「そうですか?」
「これらのお花は自由に持っていっていいものだから。それで写真はお金を取る」
「そうだ写真の値段は……こんなのでいいんです? お団子一本よりも安いです」
「いいのよ。花は枯れるけど写真はほとんど廃れない。それを手にしたいという気持ちなんだから値段はいくらでも。価値を交換したというのが大事なの」
「ほえー」

 難しいですが、幽香さんが言うならそうなのでしょう。
 朝はぽつぽつとですが、お昼を過ぎると人と人がぶつかるくらいに繁盛してきました。

「こちらの方が買いたいって」
「は、はい! ええと三枚なので……おつりはこれで。ありがとうございます」
「慣れてきた?」
「ええ、計算はしやすいですし。あとさっき変な人来ました。幽香さんがアリスさんとお話している時に」
「変な人?」
「いっぱいの色の服を来ている人で、『いい場所ね……』とかしみじみ言いながら居なくなりました。なんか妖怪とかでも無い気がします」
「まあ、実害無いなら放っておいて」
「あい」

 日が暮れる頃、個展は終了しました。
 いくらか残った写真はありましたが、お花はほとんど無くなっています。

「案外暇が無かったわね」
「そうですね! 忙しいのはいいことですが、お腹すきました」
「貴方からもらったおやつ、食べる?」
「食べます!」

 本日のおやつ
 ・琥珀糖
 ・寒氷
 ・和三盆

「おお……Y子さん気合入ってますね……」
「本当に。残りはありがたく頂くわ」
「あとはお片付けだけですね!」
「まあ明日でも良いって言われてるから……明日一人で地道にやるわ。頂いたお花だけ家に持って帰って、あとは貴方の行きたいお店に行きましょう。もちろん奢るから」
「鯢呑亭いきたいです!」

 鯢呑亭でほろほろに酔っ払って帰ってきました。
 一日のお仕事、おやつも食べられてお給金ももらって酒場のお金まで。
 なんだかもらってばかりな気がします。

 でも、今日の幽香さんはいつも以上の笑顔だったような気がします。
 お酒もいっぱい呑んでいましたし。
 大変ですが、またあったら絶対にお手伝いしましょう。
 良い経験になりました。
 楽しかったー!