2021/12/11
「……なんか部屋の中に人の気配を感じますね。がらら」
自分の部屋のふすまを開けました。
「ふ、フミタもっとそっち」
「何でだい私廊下側だと寒いんやろがあおい」
「なんかこのやり取り見た気がするんですけど……ん? なんか息切れしてません?」
「いんや」
「いやいや」
絶対に見た気がします。*1
なんか最近勝手に部屋に入られます。
しかもお布団まで引かれています。
「なんで毎回部屋に来るんですか。フミタさん私ほうじ茶がいいです」
「お前も普通に馴染んでんじゃねえか」
やると決まったらやるに限ります。
楽しむまでです。
本日の秘密のお酒
・焼酎のほうじ茶割
・枝豆
・蒸しさつまいも
・ビーフジャーキー
「カセさんもすっかり勝手に部屋に入るようになりましたね」
「聞き捨てならない」
「でもそうです」
「私はね、妖夢ちゃん」
「はい」
「フミタにまず妖夢ちゃんの部屋に勝手に入らせて」
「もうおかしい気がします」
「それで妖夢ちゃんが部屋にいる体で『入っていい?』って聞いて中のフミタが答えるから入ってるの」
「そうなんですかフミタさん」
「その茶番に毎回付き合わされています。我が上司の言うことなので」
守る所は守るカセさんです。
「カセさんそういう所あるからな」
「どういう所です?」
「外面は真面目そうじゃん」
「外面は、はい」
「こんな目の前で悪口言われることある?」
「しかも今のみたいに変に体裁を気にする」
「なるほど」
「だから怒りづらいんだよ。しかも本人がそれを利用している」
「たち悪いですねあぶぶぶぶ」
「ばぶぶぶぶぶ」
フミタさんと一緒にほっぺをおちょぼ口つねりをされました。
怒らせちゃいけない人を怒らせたようです。
でも今日も仲良く三人で川の字で寝ます。
前回で気づきましたが、やはり部屋が暖かい気がします。
ありがたや、ありがたやです。
*1 2021/12/08