2021/12/12
「こほん」
夕ごはん前のくつろぎの時間。
お茶を飲んでいる幽々子様がわざとらしく咳をしました。
居間でぐだぐだしていた私とカセさんは無意識に姿勢を正します。
「ときに妖夢」
「はい」
「最近なんだか妙に楽しそうな事をしているわね」
「……前通ぶっておそば屋さんでおまかせを頼んだことですか」*1
「違うわよばか」
「ば、ばかって言われました」
「カセさん、思い当たるフシは」
「……昨日の夜、フミタが開催した『第一回チキチキ妖夢ちゃんが来る前になんかやべえもの探しちゃおうぜ選手権』のことですか」
「それよ」
「なんですかそれ初耳なんですけど?!」
そういえば昨日部屋に入った時変な感じでした。*2
私が部屋に入る前にそんな事をしていたなんて。
「私も誘ってほしかったなあ……」
「次はぜひ」
「次なんてあると思います?」
刀を抜きました。
本日のメニュー
・ヤマメのフライ
・山盛りキャベツ
・ほうれん草と玉子のおみそ汁
・湯豆腐
・きんぴらごぼう
「……なぜ幽々子様とカセさんは妖夢ちゃんにフライを一本ずつ上げているんですか?」
「Y子さん、これはしょくざいというやつです」
「……食材? 食べ物?」
「違います難しい方のしょくざいです」
難しい方のしょくざいは書けませんが、調子に乗ったお二人にはバツがあるのです。
「幽々子様、今度はお誘いしますので。妖夢ちゃんの部屋集合で」
「はあい」
「選手権なしですよ」
「……はあい」
「なんで残念そうなんですか」
「Y子さんも」
「私は寝る時一人がいいから飲み会だけ参加するわ」
「そっか」
一人を楽しむ女、Y子さんです。
なんか主人と反応が逆な気がしますが、幽々子様が良いなら良いです。
今度は幽々子様も含めて、一本多い川の字で寝ることになりました。
楽しみです。
*1 2021/11/21
*2 2021/12/11