2022/01/10
「あれカセさん」
「ん」
今日は修行もお仕事も無い日だったので、お昼ごはんの後ぶらぶらしてたらカセさんに出会いました。
フラフラしているフミタさんはさておき、あんまりお昼に清掃グループの方々とは会いません。
そんなカセさんが庭を眺めながら頬杖をついていました。
「どうしたんですか物思いに耽って。恋ですか。なんちゃって」
「……」
「え」
「そうかも」
「え、え! 詳しく!」
「静かに」
こちんと静かにチョップされました。
これはもしかしてと期待してしまいます。
「か、カセさん早く詳しくお願いします」
「……まあ、やっぱりこういうのって時間が解決しないよね」
「そういうものなんですかー」
「この胸のざわつきが本当ならそれはきっと恋なのだろう」
「……あ、なんかちょっとわかってきました」
「……こころちゃんてさ」
「私あっちの方行ってますね」
「まあ待て若者。まんじゅうあるよ」
「しょうがないですねえ」
買収されました。
お話を聞きます。
本日の秘密のおやつ
・焼きまんじゅう
「たまに感じるんだけど、人と居たいという気持ちは恋なんだろうか」
「焼きまんじゅう美味しいです」
「感情に名前をつけるのはむつかしい」
「あれ」
「どうしたの」
カセさんのポエムを聞いていて思い出しました。
「カセさんって普通にお子さんもお孫さんもいますよね」*1
「ああその話したね」
「……そういうの、私より詳しいんじゃないんですか」
「まあ」
「まあ?」
「……」
「……」
「……今度こころちゃんの焼き肉屋さん行こ。おごるから」
「行きます。フミタさんはどうしましょうか」
「呼んだー?」
「呼んでない」
「私はちょっと来てほしいと思っていました」
こんなポエミィなカセさんを一人で相手出来ません。
フミタさんも来ることになりました。
「また二人分おごりか……」
「まあまあ。今度はちゃんとこころちゃん居る時に行こう」
「前回は……あれでしたからね」
「あれだったな」*2
これ以上駄目になるカセさんを見たくないので、しっかりと準備していきます。
大事です。
準備は大事です。
*1 2016/01/30
*2 2021/08/03