2022/04/12
「妖夢ちゃんお弁当」
「ありがざます。紅魔館行ってきますね。修行してきます」
「はーい。勝ってきなさい」
「え？ あ、はい」
Ｙ子さんに勝ってきなさいと言われました。
なので勝ちます。
美鈴さんのところに行くと、間もなく寝る寸前でした。
しかし私の存在に気づくと目をかっと見開いていました。
さすがの門番です。
「こんにちは。暑いですね」
「どもども。ヒヤシンスとかネモフィラにはいい季節ですよ。ほらあっちの方見て。自信作」
「わあすごいですね。青と白のあれが、あれです、あの、インドネシア」
「コントラスト」
「それです。きれいですねー……」
「でしょでしょ」
「うちのお庭にも参考にしたいです。本当に素敵です。弾幕ごっこしません？」
「唐突に来るわね」
しかし美鈴さんの気は臨戦態勢でした。
こういうところ大好きです。
本日のメニュー
・鶏玉弁当
・ステーキサンド
「勝つつもりでした。……あー負けました」
「ちょっと本気だったよね最後。楽しかった」
「美鈴さん動き最近キレキレですよね」
「そう？ ありがと。サンドウィッチ食べる？」
「食べます！」
ステーキが入っていました。
こんなのサンドウィッチじゃありません。
ずるいです。
「一個食べていいよ。私もお弁当もらうし」
「了解です」
ステーキをしっかり頂きました。
からしがきいてて一生食べられそうです。
「次はリベンジします。足首洗って待っててください」
「まあお風呂入ったら洗うけど……」
今日は惜しかったです。
惜敗というやつです。
「Ｙ子さんお弁当ごちそうさまでした」
「はーい」
「……あの」
「なに？」
「次は勝ってきます」
「何の話？」
なんか忘れていました。
Ｙ子さん適当です。お酒でも飲んでたのでしょうか。
でもいいです。忘れられても次は勝ちます。
修行は欠かしません。ずっと鍛錬です。
悔しさをバネに、やってやります。
