2022/07/07
「あ、おはようございます匠さん」
「私は魂魄妖夢です……」
「え、でも」
「ツシマっち。深くは聞いちゃだめだ。こいつは魂魄妖夢らしい」
匠ちゃんはしにました。*1
そもそも生まれていないのです。
もう白玉楼中に知れ渡ってる、というか白玉楼宴会で大騒ぎしたので当然みんなそう呼んでくるわけです。
ツシマさんなんて悪意が無い分こっちが申し訳なくなってしまいました。
「フミタさん。助けてください」
「うちは高いぜ?」
とりあえず今日のおやつはフミタさんにおごることにしました。
本日のおやつ
・かき氷(みかん)
「まさかマジで奢ってくれるとは思わなかった」
「助けてください……」
「いやまあ、できるだけのことはするけど……」
こんな困ってるフミタさん初めてみました。
私はだめな魂魄妖夢です。(匠ちゃんではありません)
「フミタさんはいつもあちこち行くので、『妖夢ちゃんは匠ちゃんて言われるのとても気にしてる』って言ってくれれば良いんです」
「みんな信じるかなあ」
「……どういう意味ですか?」
「蚊の鳴くような声すぎて聞き取りづらすぎだろ。いやまあ、あんだけ笑顔で『匠と呼んでください! 巨匠でも良いです!』だもんなあ」
「待ってください二つ目のは初耳です」
私は巨匠ちゃんでも匠ちゃんでもありません。
もう酔ってる自分が嫌になりました。
最悪です。
誰かに悪さをされたのなら斬れば良いのですが、これは全部自分のせいです。
しかもみんな私のために匠ちゃんと呼んでくれます。
もう匠ちゃんとして生きたほうが楽なのかもしれません。
「……そこまで妖夢ちゃんが真剣な顔してるの初めてみた」
「そんなわけないじゃないですか。はは」
「ツッコミが弱い! 気持ちわりい!」
という流れでなんかフミタさんが協力してくれることになりました。
匠ちゃん脱却の日は、もうすぐのはずです。
魂魄妖夢でした。
*1 2022/07/06