2026/07/23
本日のおやつ
・わらび餅
「鈴仙は考えて生きていますか」
「は? 当たり前でしょ」
「だって鈴仙は毎日同じ仕事して毎日同じキャロットケーキ食べてます。私や今泉さんは考えておやつを選んでいるのに」
「そのわらび餅どう?」
「美味しいですよ。水ようかんと交換してください」
「おけおけ」
「ねえ私も」
「またキャロットケーキと交換ですか……」
鈴仙との一口交換は本当につまらないです。
毎日ほぼ一緒なので。
「毎日同じ仕事してっていうけど、私が何をしているか知ってる?」
「人間のフリして薬売りですよね」
「いらない言葉付け足さないで。で、薬は人間のためにあるのよ」
「そんなのわかってます」
「人間が毎回同じ症状で、同じ状態で、同じ気分なときってあると思う?」
「……なるほど」
「その時々で判断が必要なんだからこの仕事は大変なのよ。同じ事をしているように見えるかも知らないけど、毎日どこの現場でも考えることは違うの」
「おおー。鈴仙ちゃんの勝ち」
「これ勝負だったんですか」
「でも言う事ないでしょ?」
「はい……」
なんか鈴仙に言い負かされました。
いや、負けてはいないんですが。
勝ち負けじゃないですし。
「なんか鈴仙ちゃんがイヤミもなく普通に論を話してきたの新鮮ね」
「ちょっと真面目になっちゃったわ。はいわらび餅」
「……どぞ」
「やた」
「私には聞いてくれないのかしら?」
「……今泉さんは考えて生きていますか」
「その日暮らしよ~」
「あ、ずるいわねなんか私の後にそういう事いうの」
「一匹狼だもの。まかせて」
「全然何を任せるのかわかりませんが強いのはわかりました」
鈴仙は考えてますし、今泉さんは考えていないことを決めています。
中途半端なのは私だけです。
……むむむ、何を考えたいかわからなくなってきました。
今度、大人に聞いてみましょう。
それはきっと良いことだと思うので。
考えてわからなければ人に聞く。
それでもわからなければ……切ってみます。
何かを。

