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2024-09-10

2024/09/10

「えーなにそれ私もいきたかった!」

 おだいどこに向かう途中にそんな声が聞こえてきました。
 ツシマさんの声です。

「どしたんですか喧嘩ですか」
「ほら妖夢さん心配して来ちゃったろ」
「妖夢さん……何でもないです……」
「何でもなさそうなふくれ顔ですが。ノゾっちさん一体何が?」
「ほら妖夢さん、この前フミタさんとピクニック行ったじゃないっすか」*1

 行きました。
 フミタさんの早朝無理やりピクニックです。

「ツシマが行きたかったって」
「むー……」
「ツシマさん、きっとフミタさんはツシマさんがすやすやで起こすのが悪いから誘わなかったんですよ」
「……そうなんです?」
「そうですよ。私とかノゾっちさんとかどうでもいい人が誘われてるんです」
「妖夢さん?」

 なんか言葉の綾です。
 間違った気がします。

「違いますよ、こうノゾっちさんは誘いやすいというかなんというか」
「じゃあ私が誘いづらいってことですか?」
「ち、違いますツシマさんはこう大切にしてあげなきゃっていうか」
「え、うちは大切にしなくていいんすか妖夢さん」
「ちょっとカセさん呼んできていいです?」

 もう私の手には負えませんでした。
 瞬間初速ダッシュを使ってカセさんの元へいきました。

「お、なんや急に現れるなビビるで」
「もうこの際フミタさんでいいや!」
「おいなんか妥協が見受けられたぞ訂正しろ」

 フミタさんが食べていたおやつごと持っていきました。
 フミタさんは持ちものです。

 本日のおやつ
 ・ポッキー

「おいうちのとっときのポッキーやぞ」
「フミタさんのせいで喧嘩が置きているので何とかしてください」
「なんだツシノゾ喧嘩してるのか」
「……」
「……」
「妖夢ちゃん、ガン無視なんやが」
「ええ……」

 フミタさんの信用のなさがあらわになりました。

「まあふたりともポッキー食べろよほら」
「……ぽりぽり」
「……ぽりぽり」
「フミタさん私は」
「お前は黙っとれ。んで経緯は妖夢ちゃんに聞いたけど」
「フミタさんは私を誘ってくれませんでしたね……」
「あのな。あの日の仕事、ノゾっちは半ドンだったろ?」
「え? ああ、そういえば」
「でもツシマっちは一日仕事だった。ただそれだけやぞ」
「……そうなんです?」
「当たり前だろ私が二人を差別したことなんかないやろ」
「……まあ、そうですけど」
「私がそんなことしたことあるかーノゾっち?」
「……ないっす」
「やろ。仕事の負担が無いノゾっちを誘ったそれだけだ」
「あのフミタさん、私は別に休みじゃなかったんですけど」
「妖夢ちゃんって仕事してるの?」
「ひどい!」
「ほらツシマ、妖夢さんより良い扱い受けてるんだから機嫌なおせ」
「ごめんねノゾっち。妖夢さんよりは良い扱い受けてるのわかったからもういいや。二人もすみません」
「ええのええの。今度はみんなで行こうな」
「はい!」
「あのなんか私納得いかないんですけど」

 でも二人が仲直りしたので良いです。
 良いですが、まあ。
 なんか釈然としません。
 まあ、良いですけどね、まあ。

*1 2024/09/08